お茶の知識がないままに、知人から「お茶券」をもらって大寄せのお茶会に参加することになった友人。

季節のお菓子と美味しいお抹茶を堪能するだけでも充分楽しいのですが、せっかくなら道具しつらえなどもちゃんと見てきたら?とおすすめしました。

今回は、一般的なお茶会で「拝見」することになるであろうお道具名前見どころの「基本のき」についてご紹介します!※風炉バージョンです。

 

茶道の道具の名前【掛け軸】初心者編

本席(お茶をいただく部屋)に通されるとまず目に飛び込んでくるのは「掛け軸」ですね。

お茶会の「メイン」のお道具であることは間違いないです。

ご亭主がこの日のために用意しましたオーラ全開でかかっています。

名前としては「お掛けもの」「お軸」と呼ばれることもあります。

「なんて書いてあるんだろう?」

心配いりません。たいがいの方が読めません、と思います(笑)。

実はお茶会で受付を済ませると「寄付きよりつきと呼ばれる控室に通され、そこにある会記(茶会記とも。当日のお茶会で出された道具や飲食物の名前と出処の一覧表)にも書かれてはいるのですが、それでもよく分からないと思います。

でも大丈夫。

席中(お茶会の最中)でお正客様(一番最初に座ったお客様)が必ず亭主に「おたずね」になるので、それをお聞きになってください。

何と書いてあり、誰が書いたものなのかが分かります。

たいがい「禅語」が多いです。

 

茶道の道具の名前【茶花と花入れ】初心者編

掛け軸の下や横には「茶花ちゃばな」がいけられています。

茶花は季節の和花を使い、「投げ入れ(剣山などを用いずに花入れに入れるだけ)」でいけます。

ここでの見どころは「花入れ」と呼ばれる「花の入れ物」です。

磁器、陶器、金属、1本の竹をくり抜いて出来たものや、籠状のものも見られます。

蝉籠せみかご」「鮎籠あゆかご」「鉈鞘なたのさや」「槍鞘やりのさや」など、「何かに見立てて」作られていることもあります。

「この花、なんだろう?キレイだなぁ。このお花入れ、(会記に)蝉籠ってかいてあったなぁ。本当にセミみたいな形してる!かわいいなぁ!」

と思いながら拝見すれば良いと思います。

 

茶道の道具の名前【風炉釜】初心者編

風炉釜ふろがま」です。

蒸気を逃がすため、釜の蓋がちょっとずらしてあることを「蓋を切る」と言います。

 

小板

風炉を乗せる漆塗りの板です。

だいたい9寸5分(約29cm)四方のものが一般的で、

  • 真塗しんぬり
  • 掻合かきあわせ
  • 荒目あらめ
  • 鉋目かんなめ 

など塗りにも色々あり、今回は唐金朝鮮の風炉を乗せるので、「真塗」のものを使います。

「あ、今回は真塗の小板なんだ~。」と思いながら見ると良いです。

 

風炉

唐金(銅合金)でできたで、中で炭を燃やします。

風炉の見どころは「」です。

風炉と言っても何十種類もあり、例えばこれは「唐金朝鮮からかねちょうせん」と呼ばれる形で、上から直接釜を乗せて使うので「五徳」がありません。

「あ、釜が直接乗っているから、(見えないけど)五徳がないタイプの風炉なんだね。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

釜も本当にたくさんの見どころがあります。

  • 形状:丸釜、角釜、筒釜、車軸釜など
  • 羽:羽の有無、羽落ち(羽のない部分がギザギザ)、毛切り(羽のない部分が一直線)
  • 口:丸い輪口わぐち、四角い四方口よほうぐち、広い広口ひろくち、ちょっとせり上がっている立口たちくち、もっとせり上がっている甑口こしきぐちなど。
  • 肌:ザラザラのき肌、ツルツルのなまず肌、デコボコのゆず肌、ポコポコのあられ肌など。
  • 地紋:浮き出ている模様や文字など。
  • 鐶付かんつき:鬼の鬼面、シンプルな遠山、海老や貝などの生き物、わらび山梔子くちなしなどの植物など。
  • 蓋:真っ平らの一文字、真ん中が盛上が合った盛蓋、真ん中がへこんでるすくい蓋など。
  • つまみ:梅、ひょうたん、山梔子、菊の葉、かたばみ、繭など。

「これは丸釜で立口タイプ、肌はザラザラで蓋はへこんでるから掬い蓋かな?撮みは梅の形だ~カワイイ…。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【棚】初心者編

棚はある時とない時がありますが、棚がある場合、棚には必ず、何かが飾ってあります。

 

棚の種類は大きく分けて、大棚、小棚、箪笥ですが、細かく種類を分けていくとすごい数になりますので、

「この棚、小さいから小棚かな、角が丸いな、真四角だから四方棚かな?」

くらい思いながら見ると良いと思います。

 

水指

この「水指みずさし」は、陶磁器、木製、竹製、ガラス製、素焼きのものなど色々あります。

お点前中に釜に水をさす時、お茶碗や茶筅をすすぐとき、蓋を開けて柄杓で水をすくって使います。

写真の用に、本体と同じ素材の蓋を「共蓋ともぶた」漆塗りの蓋を「塗蓋ぬりぶた」と言います。

会記に水指の説明が書かれていますのでそれを念頭に置き、

「これが織部焼きか~。蓋は本体と同じだから共蓋だな。小ぶりでカワイイな。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【茶碗】初心者編

お茶碗の「種類」は数え切れないほどあります。

一応、格付けの基本としてよく言われるのが、「一楽、二萩、三唐津」。

一番が京都の楽焼、二番が山口の萩焼、三番が佐賀の唐津焼ですよ、という意味です。

諸説ございます(笑)

「見どころ」をご紹介します。

 

手なり、模様、口縁

  • 手なり:持った感じ、手触りなど。
  • 模様:絵柄だけでなく、釉薬の具合、焼き物の特徴的な部分。
  • 口縁こうえん:縁の厚み。

 

高台、兜巾、印

  • 高台こうだい:ひっくり返したときに見えるお茶碗の裏にある丸い部分。
  • 兜巾ときん:高台の真ん中、尖っている部分。
  • 印:高台の近くにある作者のサインや印。

 

見込み

茶碗の底。お茶が入っていた時には見えなかった部分を見ます。

お茶碗は、

「このお茶碗は手にしっくりとなじむ感じだなぁ、飲みやすかったなぁ。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【帛紗】初心者編

濃茶の時、茶碗と「出帛紗」が「拝見」に回ってきます。

写真は左から「帛紗」「出帛紗」「唐物帛紗(真の帛紗さばきで使用、めったに見ません)」

見どころはなんと言っても「模様」です。

名物きれと言って由緒正しい模様が多いです。

○○金襴きんらん、〇〇間道かんとう、〇〇緞子どんす、がよく聞く名前です。

神社仏閣にちなんだ名前、能装束に使われた名前、茶人の好みにちなんだ名前など、何百種類もあります。

たたまれた状態で左手に乗せ、本を開くように右手で開き、右上の重なりの一枚目をそっとめくり、中の模様も拝見します。

間違っても全体を広げるみたいな拝見の仕方はしません。

「江戸和久田金襴か~、シマシマがキレイだなぁ…。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【茶入】初心者編

濃茶席で目にするであろう「仕覆」と中身の「茶入」についてです。

 

仕覆

濃茶が入っている中の小さな壺を守るように、「仕覆しふく」と呼ばれる袋に包まれています。

柄はやはり名物裂が多く、「三器の拝見」で見ることになります。

見どころは、

裂:袋の部分の柄ですね。帛紗同様楽しみます。

ひもの部分ですね。短緒みじかお長緒ながおがあり、中に入れる茶入によって長さが違います。

緒を通す細い紐状の部分をつがり(またはつかり)といいますが、茶入の出し入れによってここが一番傷みやすく、お茶が入っていない時は、写真のようにゆるゆると結んでおきます「休め紐」といいます。

ちなみに緒の端、お殿様のまげのようになった部分は「打留うちどめ」といいます。

「仕覆の柄は和久田かなぁ?緒は短緒だね。色がキレイだなぁ…。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶入

陶磁器でできた「茶入」と呼ばれる壺です。

「三器の拝見」で見ることになります。

肩のところが特徴の「肩衝かたつき」や「文琳ぶんりん」「小茄子こなす」など形だけでもたくさんあります。

「瀬戸(焼き)の肩衝か~、蓋は象牙で裏が金箔ですね~。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【茶器】初心者編

なつめ」「茶器」と呼ばれています。基本、「薄茶」が入っています。最初の棚飾りの時や、「三器の拝見」の時「三器とともに茶器の拝見も」と正客が所望すると、回ってきます。

「蓋の裏に漆でサインがかいてある~。家元の花押(サイン)だ~。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【茶杓】初心者編

「三器の拝見」で「仕覆」「茶入」と共に「茶杓」も拝見に出されます。

茶杓は象牙で出来たものもありますが、ほとんどがこの竹製のものです。

裏側に銘が入っていたり、流派によっては裏に蒔絵まきえが施されているものもあります。

茶杓の見どころは、

  • 櫂先かいさき:お茶をすくう部分。特に先端は「つゆ」と言って、丸かったり、尖っていたり、面取りのように角張っていたりします。
  • まり:表面はつるっと真っ平らなもの、筋張ったものなどがあり、お茶をすくいやすいように湾曲しています。
  • :竹の表面にできる溝。この溝があるので茶溜まりが出来るのです。
  • 節:ほとんどが真ん中に節がありますが、節が端の方に寄っていたり、節のないものもあります。横から見た時、まっすぐ横一文字のものを「直腰すぐごし」山なりに曲がったものを「蟻腰ありごし」と呼びます。
  • 追取おっとり:お茶をすくう時、指が触れる部分です。
  • 切止きりどめ:茶杓の露とは反対側の末端です。よく見ると、かまぼこ型に切ってあるものや面取りのように、両サイドと断面をカットした三面取りというのもあります。

「裏に銘がかいてあるなぁ。これはまっすぐだから直腰かぁ~。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【香】初心者編

香でよく使われるのは「白檀びゃくだん(木片)」「沈香じんこう(木片)」「梅が香(練り香)」などです。「香合の拝見」のとき、香合の中に入っていることがあります。

「焚いた時とまた少し違う香りだなぁ~。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

茶道の道具の名前【香合】初心者編

「香合の拝見」で拝見することになります。陶磁器、木製、金属製のものが多く、様々な形で季節感たっぷりのものが多いです。

「中秋の名月が近いからウサギの香合なのかなぁ?カワイイなぁ…。」

と思いながら見ると良いと思います。

 

まとめ

今回は、茶道で使うあの道具の名前は何?お茶会で目にする茶道具の見どころをご紹介!と題して、大寄せの茶会で「拝見」するであろう茶道道具について、至極簡単に見どころご紹介しました。

お茶会に行く。わけもわからないまま、前の方が拝見するのを見よう見真似でお道具を見て終わる。ではちょっと味気ないですよね。初心者で詳しくはなくても、ちょっと見どころが分かっていれば、見る目が変わってきて楽しいですよ!

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました!!