茶道で使う掛け軸とは、筆で書かれた書や画を紙や裂で表装したもので、床の間に飾ります。
「お掛けもの」や「お軸」と呼ばれることが多く、「掛け物ほど第一の道具はなし(南方録)」と言われるほどのメインアイテムです。
今回は、基礎知識として「掛軸の部位」について大きく3パーツに分けて、各部位の名称を見ていきたいと思います。
茶道で使う掛軸の部位【天(上)】
文字や絵が描かれているメインの部分をのぞいた両端の上の部分を「天」(上とも)と言います。
【詳細】を見てみましょう。
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上から、掛軸をつるすための「掛紐」があります。
掛け紐を固定するための金具の部分がその両端についていますがその部分は「鐶」と言います。
その「鐶」を取り付けるための部分を「八双」と言い、形がかまぼこのように半月型のものもあることから「半月」と呼ばれることもあります。
その下、天の横幅を丁度三等分したあたりに取り付けられている二本の「風帯」ですが、ピローンと垂れ下がっているので「たれふうたい」「さげふうたい」と呼ばれることもあります。
天の縦の長さと同じ長さで、この後紹介する「一文字」と同じ裂で作られています。
この「風帯」全ての掛軸にかかっているわけではありませんが、元々は「鳥よけ」のためにつけられていたとか。(中国では「ツバメよけ」という意味の「驚燕」「払燕」と呼ばれています。)
その風帯の先端部分を「露」といいます。
茶道で使う掛軸の部位【中廻し】
掛軸のメインの部分ですね。
【詳細】を見てみましょう。
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メインの「本紙」部分が紙でも裂でも、それを取り囲むように「中廻し」という裂が囲みます。
「中縁」とも呼ばれ、特に中廻しの縦の両側は、「柱(中廻しの柱)」と呼びます。
さらに本紙を留めているのが「一文字」です。
中廻しにしてもこの一文字にしても裂は有名な裂地(模様)を使うことが多いです。
茶道で使う掛軸の部位【地(下)】
掛軸の下の部分ですね。
「地(下)」と呼びます。
【詳細】を見てみましょう。
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掛軸を巻きつける軸を「軸木」といい、その端、外に出ている部分を「軸先」と呼びます。
表から見えませんが、軸先と台紙の接着部分に「軸助」と呼ばれる補強が施されています。
まとめ
今回は、茶道で使う掛軸の部位は大きく分けて3つ!それぞれの各部位の名称をご紹介!と題して、知っているようで知らない「掛軸」の各部位の名称について、大きく3つに分け、そのパーツごとに名称をご紹介してまいりました。
今回も最後までお読みいただき、有難うございました♪