前回の「薄茶」に引き続き、今回は自宅でも出来る「濃茶」の美味しい練り方のコツについて、実際の画像を交えながら「一人分」の量の抹茶と水量での「濃茶」を「練って」みたいと思います。
ちなみに実際のお茶事やお稽古で「一人分の濃茶を練る」シチュエーションってなかなかないですよね?(笑)
なので参考までに「2人分」と「3人分」の「抹茶の量」の画像もそえてみました。
また、濃茶の練り方の上達方法は場数を踏み、練習あるのみだと思いますが、濃茶用抹茶は高価です。
なので、練習方法としてオススメの「代替品」もご紹介しますよ!
濃茶を美味しく練るには?自服(自分で作って自分で飲む)してみよう!
準備するもの
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他に用意するもの
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一人分濃茶の作り方
1 ひしゃくと茶筅を水かお湯につけておく
茶筅に水分を与えておくと、穂先が柔らかくなり、折れにくくなります。また、ひしゃくも竹製なので急に熱湯に入れるとひび割れたりするので、あらかじめ濡らしておきます。
2 お湯を沸かす
お湯は沸かしたてを使います。ポットのお湯でも大丈夫ですが、再沸騰機能などで沸騰させておきます。
3 茶碗を温める
濃茶は出来上がりまでのお湯の量が少なく、さらに今回は「一人分」なので余計に冷めやすいです。
なので、しっかり温めます。
ひしゃくに8分目の熱湯を入れ、30秒ほど待ちます。
(外側を触って熱くなっていれば大丈夫です。)
4 大さじ一杯の濃茶を茶こしでふるう
濃茶一人分は4gが理想、と言われています。
大さじ一杯分の抹茶の量はおよそ4.8g前後。
濃茶を茶こしでふるいます。
抹茶の量が多いので、ダマ(抹茶玉)が出来やすいからです。
また前回の薄茶の時同様に、初練りを水で行っても良いのですが、少しでも温度が下がらないようにする事を考慮して、ふるう方が良いと思います。
ふるい終わった状態。
たった一人分なのに、もうお茶碗にカルデラ火山が出来ています!(笑)
この量を練って行きます。
5 お湯は半しゃくの半分
大さじ一杯の濃茶に対して、大さじ一杯(15ml)くらいの量のお湯を茶碗の縁からそっと入れます。
ひしゃくだと半分の半分くらいです。
お湯を抹茶の山の真上から真ん中にジャッと入れると抹茶が飛び散り、あとが大変なので、あくまでそっと、縁にめがけてゆっくり入れます。
6 初練りの最初は「慣らす」
お湯を入れた状態です。
茶筅の穂先でお湯と抹茶をなじませます。
まだ練りません。
上からジワッジワッと押さえる感じです。
馴染んだら、茶筅の腹(腰)でグールグールグールグールと練って行きます。
ぐるぐるだけじゃなく、縦に、横に、茶筅を動かしていきます。
抹茶がツヤツヤになるまで1分間くらい練り上げます。
7 仕上げの湯を入れる
仕上げのお湯の量もまた、ひしゃく半分の半分の量。
大さじ一杯(15ml)程度。
仕上げの湯が入ったら、さっさと仕上げます。
茶碗の内縁についた抹茶をまとめるようにグルグル。
茶筅の中に入り込んだ抹茶をふるい出すようにシャカシャカ。
トロリと出来上がりました。
キレイな緑色ですね!
とろみの目安としては、溶けたアイスくらいのトロトロ状態。
茶筅からゆ~っくりとしずくが垂れてくるくらい。
出来上がり!
濃茶を美味しく練るコツは「量」!
茶杓で1杓1.3gを目指す!
濃茶を茶入から茶杓ですくう時、思い切りすくわないと茶杓1杓✕3杯=4gになりません。
茶杓の櫂先から節の中程(先端から4~5cmくらい)までを使うイメージですくいます。
実際に計ってみました。1杯で1.3gです。
3杯で4g。4gって見た目、これくらいになります。
茶碗の中で見た時、コレくらいの量で一人分4gです。
これで二人分8gです。
茶碗に入った二人分8gです。
正客、次客、お詰めまで3人分12gだとこれくらい。
茶碗にはくとこんな量になります!
これをお点前では「さばく」(山になっている抹茶を茶杓で軽く崩しておくこと)んですよね。
濃茶を美味しく練るためのオススメの練習方法!
濃茶は「濃茶用の抹茶」で作ります。
濃茶用の抹茶は薄茶用の抹茶と比べて苦味が少なく、大量に使って作っても旨味と甘みがある、それは美味しい飲み物です。
しかし、練り方が慣れていないとダマがたくさん出来てしまったり、もたもたしているとぬるくなってしまったり、非常に難しいものです。
これはもう、場数をふんで、練習するしかないのです。
でも濃茶用の抹茶は非常に高価。おいそれと「練習用」に買えません。
そこで、私は「ココアパウダー」で代用してお稽古をつみました。
お砂糖のはいっていない「純ココアパウダー」は「練り方」の練習に丁度良いのです。
ぜひ一度試してみてください。
※ただし、ココアで練習後の茶筅は、カカオ風味が残らないよう丁寧にゆすいで洗ってくださいね!
まとめ
今回は、濃茶の美味しい練り方!コツは抹茶の量と水分の量!オススメの練習方法?題して自宅でも濃茶をお稽古できるアイデアをご紹介しました!
実際の画像を見て、抹茶の量、一人分、二人分、三人分の違いが分かると濃茶点前でお茶碗に対し、どれくらいの抹茶をかき出せば良いかがイメージしやすくなると思います。
また、高価な濃茶を練習用に買わなくても「ココアパウダー」で代用できる、というお話もさせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!!